男性の冬のインナーの選び方|「発熱」でも寒い理由と、汗冷えを防ぐ5つのチェック

冬のインナー選びの悩みに、先に結論から。薄手の長袖1枚が基本の理由、発熱インナーでも寒い理由、汗冷えを防ぐ着方と汗をかく日のおすすめ素材ランキング、首元・袖口から見えない選び方、カイロの注意点をまとめました。

ネイビーのVネックのニットを着た男性の首元から胸までを、左右に並べた写真。左は、ニットの襟ぐりから白いインナーの襟が見えている。右は、インナーが見えていない

「発熱」と書いてあるインナーを着たのに、駅のホームでは寒い。電車の中では汗ばむ。降りたら、また冷える。冬のインナーで、こんな思いをしたことはありませんか。

先に、結論です。

  • インナーは、薄手の長袖1枚が基本です。暖かさは、上着と小物で足します
  • 「発熱」は、汗や湿気を吸っている間だけ。ずっと温め続けてくれるわけではありません
  • 汗をかいて服が濡れると、体が冷えます(汗冷え)。暑くなる前に、上着を脱ぎましょう
  • 首元や袖口から見えないものを選び、重ねて試着してから買います

素材やカイロの説明は、公的機関や研究、メーカーの資料をもとにしています。選び方は、目安として紹介します。

「発熱インナー」でも寒いのは、なぜ?

吸湿発熱は、繊維が水分を吸うときに出る熱を使う仕組みです。人は、汗をかいていなくても、皮膚から水分を少しずつ出しています。インナーがその水分を吸って、熱に変わります。

ただ、繊維が吸える水分には限りがあります。いっぱいになると、発熱は止まります。吸った水分が乾くときは、逆に熱が奪われます。「吸っている間は暖かく、乾くときは冷える」ことを繰り返すので、ずっと温め続けてくれるものではありません。

デサントスポーツ科学に載った実験でも、発熱の測定値が高かった綿100%のインナーが、着て休んだり運動したりすると、比べた中で服の中の温度が一番低くなりました。綿が悪いという意味ではなく、「発熱」の表示や数字だけでは、着て暖かいかは分からない、ということです。

汗冷えは、汗をかいたまま外に出ると起こる

汗冷えは、東京都の冬の山の広報誌でも注意されています。寒いからと着込むと、動いたときに思った以上に汗をかき、濡れた服が体温を奪います。対策は、次の3つです。

  • 重ね方を工夫して、汗をかきすぎない
  • 暑くなる前に、こまめに脱ぐ
  • 肌に触れるインナーは、乾きやすいものにする

山の話ですが、「歩く→暖房の効いた電車で汗ばむ→外に出て冷える」という流れは、冬の通勤でも同じです。

同じ男性が、冬の通勤の流れを、左・中・右の3枚に分けた写真。左は「1 歩く」で、マフラーを巻いて駅へ歩いている。中は「2 電車で汗ばむ」で、電車のつり革につかまり、額に汗が浮かんでいる。右は「3 外で冷える」で、駅を出て、息が白く、寒そうにコートの前を握っている

汗をかく日のおすすめ素材ランキング

肌に触れるインナーの素材を、汗冷えしにくい順に並べた目安です。

  1. ポリエステル:繊維そのものはほとんど水を吸わず、生地のすき間で汗を肌から離して広げ、乾かします。「吸汗速乾」と書かれたものが目印です
  2. ナイロン:濡れても吸水性が低く、早く乾く素材です
  3. ウール:濡れると熱が出ることが知られていて、空気を多く含む暖かい素材です。外で待つ時間が長い日に向いています
  4. 綿:汗を繊維に吸い込むので、濡れた生地が肌のそばに残りやすくなります。着心地はさらっとしていますが、たくさん汗をかく日は冷えやすくなります
汗冷えしにくい素材の順位の図。1位ポリエステル(汗を広げて乾かす)、2位ナイロン(濡れても早く乾く)、3位ウール(暖かい。外で待つ日向き)、4位綿(汗が残りやすい)。各素材の布のアップの写真がある

ポリエステルとナイロンは、冬は静電気が起きやすい面もあります。素材はあくまで目安で、同じ素材でも、生地の厚さや編み方で変わります。買ったあとは、一度着て確かめてください。

選ぶときの5つのチェック

1. 基本は「薄手の長袖1枚」

  • 暖かさは、厚手のインナーではなく、上着と小物で足します。着込みすぎると、汗をかいて冷える原因になります
  • 環境省も、腹巻き・Tシャツ・股引・靴下などの下着に、軽くて薄い機能性素材を使うと、体の中心が温まると紹介しています(パンツの中に履くインナーは「裏起毛パンツ(メンズ)は本当に暖かい?」で紹介しています)
  • 首・手首・足首は、マフラー・手袋・靴下などの小物で温めます(環境省が勧める「三つの首」)。靴下の選び方は「冬の靴下の選び方(メンズ)」で紹介しています
ネイビーのコートに、グレーのマフラー、黒い革の手袋、グレーの靴下をつけた男性の全身の写真。首のマフラー、手首の手袋、足首の靴下のところに赤い丸があり、「首」「手首」「足首」の文字がある。上に「三つの首を温める」と書かれている

2. 「汗をかく日」か「外で待つ日」かで考える

  • 歩く距離が長く、電車や職場が暖かい日は、薄手の1枚にします。上着は、電車に乗ったら脱ぎます
  • 外で立つ、待つ時間が長い日は、保温を優先します。首・手首・足首を小物で温めます
  • 室内で過ごす時間が長い日は、薄手の1枚にして、羽織りで調整します
同じ男性を左右に並べた写真。左は、ネイビーのコートとグレーのニットで、屋外の歩道を歩いている。右は、電車の中で吊り革につかまり、脱いだネイビーのコートを腕にかけている

3. 「発熱」の文字より、タグの素材と着心地を見る

  • 「発熱」「保温」は商品の売り文句です。素材の割合は、タグに書いてあります
  • 汗をかきやすい人は、ランキング上位のポリエステルやナイロン、「速乾」と書かれたものを候補にします
  • 合うかどうかは、汗の量や着る時間で変わります。買ったあと、休日に一度、駅まで歩いて電車に乗る、いつもの動きで着て確かめます
  • ニットの素材表示の見方は「ニットの洗い方(メンズ)」、タグの記号は「洗濯表示の読み方」で解説しています

4. 首元と袖口から見えないものを選ぶ

  • シャツの第一ボタンを外した状態と、ニットの襟ぐりを、鏡で見ます。インナーの襟ぐりが浅いと、首元から見えやすくなります
  • 腕を前に出して、インナーの袖が袖口から出ていないか見ます
  • あえて見せるなら、白かオフホワイトの無地にします

見えないものを選ぶ考え方は「ぽっちゃりメンズの冬コーデ」、袖口から少しのぞかせる方法は「痩せ型・細身メンズの冬コーデ」で紹介しています。

グレーのニットを着た男性の手首まわりを、左右に並べた写真。左は、ニットの袖口から白いインナーの袖が出ている。右は、インナーが見えていない

5. 重ねて試着して、職場に予備を1枚置く

  • インナーの上に、いつも着るシャツ・ニット・アウターを重ねて、腕を上げ下げします。肩や脇がつっぱらないか、袖が上がってこないかを確かめます(見方は「男性服のサイズ感の見方」)
  • 職場に予備を1枚置くと、汗ばんだ日に替えられます。汗が引かないうちに、上着を着て外へ出ないようにします
木の机の開いた引き出しの中に、オフホワイトの長袖のインナーが、たたんで1枚入っている写真

カイロを使うなら、低温やけどに注意

東京都が2012年に、カイロを入れるポケット付きの肌着を調べました。カイロを入れた肌着の中は、短い時間で体温よりかなり高くなっていました。肌着だと、熱くても取り出しにくく、我慢してしまいがちです。背中や腰骨のあたりは、特に低温やけどになりやすい場所だとされています。

NITE(製品評価技術基盤機構)も、カイロなどは長時間同じ場所を温めないよう呼びかけています。調査は2012年のもので、今の商品とは違う可能性があります。

  • 手を温めるときは、アウターのポケットにカイロを入れて握ります。熱くなったら、すぐ手放せます
  • 肌に近い層に入れて着る使い方は、熱くなっても外しにくいので避けます
  • カイロの袋の注意書きを守り、同じ場所に長く当て続けません
  • 貼るカイロの貼る場所と、靴下用の使い方は、「カイロの貼る場所(男性)」で紹介しています
ネイビーのコートのポケットに片手を入れた男性の、腰から下の写真。ポケットの口から、白い無地の小さな袋が少しのぞいている

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参考資料

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