寒い朝にカイロを取り出して、背中に貼るか、お腹に貼るか迷ったことはありませんか。服の上に貼って、コートやニットが傷まないかも気になります。
先に、結論です。
- 貼るカイロは、肌ではなく、傷んでもよい肌着の上に貼ります。コート・ニット・スーツには貼りません
- 1枚で温めるなら、メーカーのおすすめは背中の肩甲骨の間か、腰の後ろです。座る日は、お腹側か、貼らないタイプにします
- 靴下用・靴用は、製品に書かれた場所に貼ります(つま先の裏側用、足の裏全体用などがあります)。靴の中は蒸れやすいので、使い終わったらすぐにはがします
- 低温やけどは、熱いと感じない温度でも起こります。寝るときは使わず、同じ場所に長く当て続けません
使い方は、NITE(製品評価技術基盤機構)とメーカーの資料をもとにしています。服との組み合わせ方は、選ぶときの目安として紹介します。
カイロは、肌ではなく「服の上」に貼る
カイロは、体温より高い温度で発熱します。NITEは、直接肌にあてたり貼ったりすると、やけどのおそれがあると注意しています。メーカーの使い方も、「肌に直接ふれないよう、もまずに衣類に貼って使用する」です(小林製薬の桐灰カイロ はる)。
一番上の写真の左は、肌着の背中にカイロを貼った姿です。右は、その上にニットを着た姿で、カイロは見えません。
ただし、どの服に貼ってもよいわけではありません。
- 肌着(インナー)の上に貼るのが基本です。洗って着ている、傷んでもよいものを選びます
- コート、ニット、スーツ、高価な服には貼りません。 メーカーも、粘着剤で傷む衣類や高級な衣類には使わないよう注意しています
- 保温性の高い一部の服は、カイロがつきにくいことがあります。つかないときは、貼らないタイプに替えます
- はがすときは、粘着剤のない部分に指を入れて、ゆっくりはがします
肌着に貼ると、熱くなったときに、服を脱がないとはがせません。仕事中や会議の前など、すぐに脱げない日は、あとで紹介する「貼らないタイプ」が向いています。
お腹と背中、どっちに貼る?
1枚だけ貼るなら、メーカーのおすすめは背中側です。
- 桐灰化学の担当者は、背中の肩甲骨の間か、腰の後ろがおすすめだと答えています。実際によく使われている場所で、筋肉量が多いためだと説明しています(マイナビニュースの2017年の取材記事)
- お腹側に貼るときも、服の上から1枚だけ貼ります。ベルトに当たらない高さにします
ただし、座る時間が長い日は、背中側を避けます。背もたれで押されると、熱がこもるためです。
リュックを背負う日も、背中側は押されます。背中側は手が届きにくく、熱くなってもすぐにはがせません。
NITEは、熱源に触れた部分が圧迫されていると、より短い時間で低温やけどになると注意しています。背中や腰骨のあたりは、低温やけどになりやすい場所だとされています。東京都の調査は、「男性の冬のインナーの選び方」で紹介しています。
日によって、次のように分けると迷いません。
- 立つ・歩く時間が長い日は、背中の肩甲骨の間か、腰の後ろ
- 座る時間が長い日や、リュックを背負う日は、お腹側か、貼らないタイプ

お腹と背中の両方に貼るときは、それぞれ1枚にします。1か所に重ねて貼りません。靴下用は、片足に複数枚使わないことがメーカーの注意です。
写真の左は、背中の肩甲骨の間に貼った例です。右は、お腹側で、ベルトに当たらない高さに貼った例です。

靴下用・靴用のカイロは、製品に書かれた場所に貼る
足元が冷える日は、靴下用や靴用のカイロを使います。貼る場所は、製品ごとに違います。NITEも、使う部位が決まっているカイロは、その指定を守るよう注意しています。
小林製薬の桐灰カイロでは、次のように分かれています。
- つま先の裏側に貼るタイプ(くつ下用 貼る):靴下の上から貼ります。甲側には貼りません
- 足の裏全体に貼るタイプ(くつ下用 貼るロング):靴下の上から貼ります。甲側には貼りません
- 足の甲側のつま先に貼るタイプ(くつ下用 甲に貼る):靴下の上から貼ります。つま先の裏側には貼りません
- 靴の中に敷くタイプ(くつ用 敷く):靴の中に敷いて、すぐに靴を履きます

写真は、つま先の裏側に貼るタイプの例です。

どのタイプも、メーカーの注意は同じです。
- 靴以外では使いません。スリッパやサンダル、サイズが大きい靴は、空気が入りやすく、高温になることがあります
- 熱いと感じたら、すぐにはがします。すぐにはがせない状態での使用は避けます
- 片足に、同時に複数枚は使いません
- ジョギングなど、スポーツをするときは使いません
- 肌に直接貼りません
ブーツなど空気の入りにくい靴や、とても寒い場所では、発熱しにくいことがあります。靴を履かないまま置くと、高温になって膨らむことがあります。雪の日の靴選びは、「雪の日の服装(メンズ)」で紹介しています。
靴の中で使うと、蒸れてにおうことがある
足の裏は、体の中でも汗腺がとても多い場所です。花王によると、足の裏の汗は、主に緊張などで出ますが、熱でも出るといわれています。靴を履くと汗が逃げにくく、蒸れて、においが出やすい状態になります。
靴の中でカイロを使うと、足がさらに温まって、汗をかきやすくなることがあります。靴の中で使ったら、蒸れて汗をかき、靴がにおうようになった。そんな経験をした人もいます。
- 使い終わったら、すぐにはがします。メーカーも、使用後はすぐにはがす(取り出す)よう案内しています
- 靴下は、こまめに替えます。湿っぽく感じたら、替えの靴下に交換します(靴下の素材と洗い方は「冬の靴下の選び方(メンズ)」)
- 一日履いた靴は、一日以上休ませて、たまった湿気を逃がします(花王)。靴を2足で順番に履くと、休ませやすくなります
- 汗をかきやすい人や、長く歩く日は、靴の中ではなく、レッグウォーマーなどで足首を温める方法もあります
貼らないタイプは、ポケットで使う
手を温める日や、すぐに脱げない日は、貼らないタイプが向いています。小林製薬の使い方は、袋から出して軽く数回振り、衣類の上から、または布などに包んで使います。温度が下がったら、もう一度振ります。
- コートやジャケットのポケットに入れて、手で握ります。熱くなったら、すぐ手放せます
- 肌着の中など、肌に近い層に入れて着る使い方は、熱くなっても外しにくいので避けます
- 袋の注意書きを守ります
低温やけどを防ぐ5つのルール
低温やけどは、熱いと感じない温度でも、長い時間、同じ場所が温められると起こります。NITEによると、44℃では3〜4時間、50℃では2〜3分で起こると言われています。熱源に触れた部分が圧迫されていると、もっと短い時間で起こります。
1. 寝るときは使わない
布団の中は、熱がこもります。寝ている間は、熱さにも気づきにくくなります。NITEが紹介した事故にも、寝るときにカイロを使って、足に低温やけどを負った例があります。
2. 同じ場所に長く当て続けない
熱い、いつもと違うと感じたら、すぐにはがします。長く使う日は、位置をずらすか、いったんはがします。
3. 押さえつけない
カイロをベルトやサポーターで押さえると、短い時間でやけどをするおそれがあります(NITE)。ウエストを締めるベルトの位置は、避けます。
4. こたつや暖房器具の近くでは使わない
こたつの中や暖房器具の近くは、急に温度が高くなります。
5. 温かさを感じにくい人は、使わない
糖尿病などで、温かさや血行に障害がある方は、使わないことがメーカーの注意です。子どもや体の不自由な方は、周りの人も気をつけます。
やけどの症状が出たら、使うのをやめて、医師に相談します。使い終わったカイロは、住んでいる市区町村の分け方に従って捨てます。
貼ったまま出かける日の、服の選び方
- 体にぴったりした薄手のシャツの下は、貼るカイロの形が浮くことがあります。ゆとりのあるニットやジャケットを着る日に使います
- ウエストのベルトや、リュックのベルトが当たる位置は避けます
- スーツの日は、ワイシャツやジャケットではなく、肌着に貼ります
カイロの前に、首・手首・足首を服で温めます。環境省は、マフラー、手袋、レッグウォーマーで「三つの首」を温めると、太い血管のある部分が温まり、体全体が温まると紹介しています。カイロは、そのうえで足すものです。

次に読む記事
- 気温に合わせた重ね方は「気温別の服装の目安」
- 外側のアウターは「冬のアウターの選び方」
- 職場での整え方は「冬のオフィスカジュアル(メンズ)」
- 雪の日の靴と歩き方は「雪の日の服装(メンズ)」
- 肌着の選び方と、カイロポケット付き肌着の注意は「男性の冬のインナーの選び方」
- 初詣など、外で長く待つ日の服装は「初詣の服装(メンズ)」







