「ニットを洗ったら縮んだ」「毛玉だらけで着られなくなった」「首元がチクチクして、着たくない」。ニットの悩みは、洗い方と、着たあとの手入れで、かなり減らせます。
先に、結論です。
- 洗うのは、汚れが気になったときだけです。 着たら2〜3日休ませて、複数のニットを交代で着ます
- 洗えるかは、タグの洗濯桶で決まります。 桶に手の形があれば手洗いのみ、桶に×があればクリーニングに出します
- 洗濯機で洗うなら、おしゃれ着用洗剤を使い、ネットに入れて、弱い水流のコースにします。 水温は30℃以下です
- 干すときは、日陰で平らに干します。 乾燥機は、縮むので使いません
- 毛玉は、増える前に、はさみで切ります。 チクチクは、細い繊維のニットを選び、買う前に首元で確かめます
手入れの方法は、メーカー、専門団体、クリーニングの専門家の案内をもとに紹介します。
ニットを洗う頻度は?|着るたびには洗わない
ウェザーニュースの記事(2025年2月18日、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポートの代表への取材)では、ニットは着るたびに洗わず、汚れが気になったときに洗うのが基本とされています。洗いすぎは、ニットにとってNGです。
一度着たら、2〜3日は休ませます。同じ記事では、ウールやカシミヤなどの天然素材は、着るたびにくたびれて、肌触りのよさを取り戻すのに時間がかかると説明されています。複数のニットを交代で着ると、傷みを減らせます。
着たあとは、洋服ブラシで軽く払うと、毛玉も減らせます。All Aboutの記事(2026年1月13日更新)では、ウールやカシミヤは、ほこりをかき出して毛並みを整えると、毛玉を防げると説明されています。ブラシのかけ方は「コート・ダウンの手入れ方法」で紹介しています。
洗う前に確かめる|洗濯表示と、色落ち
洗えるかは、洗濯桶のマークで決まる
花王の製品Q&Aでは、取扱い表示で、洗い桶に×があるものは、家庭で洗えないとされています。ウェザーニュースの記事でも、水洗い不可やドライクリーニング可の表示のニット、繊細な装飾のあるニットは、クリーニング店に頼むよう勧められています。
洗濯桶のマークは、次のように見ます。見方は「洗濯表示の読み方」で解説しています。
- 桶に手の形: 手洗いのみです。洗濯機は使いません
- 桶に数字と線: 洗濯機で洗えます。数字は水温の上限、線は洗い方の強さです
- 桶に×: 家庭では洗えません。クリーニングに出します
濃い色は、色落ちを確かめる
花王の案内では、濃い色のニットは、目立たない場所に、おしゃれ着用洗剤の原液をつけて、5分後に白い布で軽く押さえます。布に色がついたら、ほかの服と分けて、単独で洗います。
ニットの洗い方|洗濯機と手洗いの手順
洗濯機で洗う手順
- 洗剤: おしゃれ着用洗剤を使います。形崩れや色あせを防ぐためです。襟や袖口の汚れには、洗剤の原液をなじませます
- たたむ: 裏返してたたみ、洗濯ネットに入れます。無印良品の店舗スタッフのブログ(2024年12月)では、ネットの中に余分な隙間を作らないと、中の衣類が動かず、傷みにくいと紹介されています
- コース: おしゃれ着・ドライ・手洗いなど、弱い水流のコースを選びます。コース名は機種ごとに違うので、取扱説明書で確認します
- 水温: 花王の案内では、30℃以下の水で、やさしく洗います
写真の左は、大きすぎるネットに入れた様子で、ニットのまわりに隙間があります。右は、ニットがネットにちょうど収まった様子です。


手洗いの手順
花王の案内では、30℃以下の水で、やさしく押し洗いします。
柔軟剤を使うときは、すすぎの水がきれいになってから入れて、3分ほど浸します。そのあと、洗濯機で軽く脱水します(1分以内)。柔軟剤は、静電気や毛玉を防ぎ、ふっくら仕上げるとされています。
ニットの干し方|平干しが基本。乾燥機は使わない
洗ったニットは、伸びを防ぐために、平らに干します。
- 平干し: 花王の案内では、両手ではさむように軽くたたいて形を整え、陰干しにします。大きめのピンチハンガーの上などで、平らに干します。無印良品のブログでは、平らに広げて載せられる「平干しネット」が便利と紹介されています
- つり干し: 平干しができないときは、物干し竿に、上下に二つ折りにしてかけます。袖が下に垂れないよう、袖も一緒にかけます(無印良品のブログ)
- ハンガー: それも難しいときは、ハンガーを2〜3本使って干します(無印良品のブログ)
写真の左は、平干しネットに平らに広げた様子、右は、物干し竿に上下に二つ折りにしてかけた様子です。

乾燥機は、ニットを縮ませるので、使いません。洗ったあとは、風通しのよい日陰で干します(ウェザーニュースの記事)。
乾いたあと、花王の案内では、アイロンを浮かせて、たっぷりスチームをかけると、風合いよく仕上がるとされています。
ニットの毛玉の取り方と、増やさないコツ
毛玉は、増える前に取ります。ウェザーニュースの記事では、次の方法が紹介されています。
- はさみ: 小さなはさみで、毛玉を切り取ります
- スポンジ: 食器用の2層スポンジの、硬い面で、表面をやさしくなでます
- 毛玉取り機: 刈りすぎて、生地を傷めることがあるため、避けるよう勧められています
初めて試すときは、目立たない場所で様子を見てください。毛玉を増やさないコツは、着たあとのブラッシングです。

ニットがチクチクするときは|素材と、買うときの確かめ方
ウールの専門団体であるWoolmark(英語のページ)では、衣類のチクチクした感触は、繊維の種類より、繊維の太さによると説明されています。太い繊維は、刺激につながります。
繊維の太さはミクロンという単位で表され、数字が小さいほど、細くて柔らかくなります。メリノウールは、世界で最も細く柔らかい羊毛とされています。

写真は、糸と編み地の見た目の違いの例で、繊維そのものの太さを示すものではありません。マフラーを選ぶときの確かめ方は、「チクチクしないマフラーの選び方(メンズ)」で解説しています。タートルネックを選ぶときの確かめ方は、「タートルネック(メンズ)の選び方」でも紹介しています。
タグの素材表示は、繊維の名前と割合を示すもので、繊維の細さまでは分かりません。消費者庁のFAQでは、羊毛は「毛」「羊毛」「ウール」「WOOL」のいずれかで表示するとされています。カシミヤも「毛」と表示できるため、「毛35%」のようにまとめて書かれていることがあります。

買う前に、次の2つを確かめます。
- 首元と袖口を、首や手首の内側に当てて、チクチクしないか確かめる
- 試着は、普段そのニットの下に着るインナーを着て行う
ニットの保管|ハンガーか、たたむか
ウェザーニュースの記事では、しまう前に、首まわりや袖口の汗や皮脂を、濡らして固く絞ったタオルで、ポンポンとたたいて拭く方法が紹介されています。
しまい方は、編み目で分けます。
- 編み目が粗く重いもの(ローゲージ): 自分の重さで伸びるので、ハンガーにかけず、たたんで保管します
- 編み目が細かく軽いもの(ハイゲージ): ハンガーにかけて保管します
- 引っ張ると伸びるタイプ: たたんで保管します

衣替えの全体の手順は、「秋冬の衣替え」にまとめています。
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