「コートの肩にほこりが白く残っている」「ダウンを洗ったら、ぺちゃんこになった」。冬のアウターは高価なぶん、手入れで失敗すると痛手になります。
先に、結論です。
- コートは、着たら洋服ブラシで軽く払い、連日着ずに休ませます。 ハンガーは、肩先に厚みのあるものにします
- クリーニングは、シーズン終わりに1回が基本です。 食べこぼしや泥はねは、早めに店へ相談します
- ダウンは、洗濯表示が家庭洗濯OKなら、自宅で洗えます。 30℃以下の水で押し洗いし、2〜3日かけて完全に乾かします
- しまうときは、クリーニングのビニールカバーを外します。 ダウンは、乾ききってから保管します
手入れの方法は、メーカー、専門団体、行政の案内をもとに紹介します。素材ごとの特徴は、「冬のアウターの素材(メンズ)」で解説しています。コートやダウンの選び方は「冬のアウターの選び方」で解説しています。
コートの手入れ方法|着たあとのブラッシングと休ませ方
帰宅したら、洋服ブラシで軽く払う
All Aboutの記事(家事アドバイザーの矢野きくの氏、2026年1月13日更新)では、外から帰ったら、まずブラッシングすることが勧められています。ウールやカシミヤは、繊維の奥に入ったほこりをかき出して毛並みを整えると、毛玉を防げるとのことです。マフラーの毛がコートにつくときの対処法は、「マフラーの毛がつく原因と対処法(メンズ)」で紹介しています。
ブラシのかけ方は、無印良品の店舗スタッフのブログ(2022年12月)で、次のように紹介されています。
- 下から上へ、繊維の流れとは逆の向きにかけて、ほこりをかき出す
- 次に、上から下へ、繊維を整えるようにかける
- 擦らず、やさしく払う
写真の左は、コートの下のほうにブラシを当てた様子、右は、上のほうに当てた様子です。

同じコートを、連日着ない
All Aboutの記事は、同じコートを毎日着るのは寿命を縮める最大の原因といわれるとして、1日着たら2日休ませる方法を紹介しています。休ませると、繊維の湿気が抜け、押しつぶされた繊維が空気を含んで元の形に戻ろうとするとのことです。
着る日を分けたいときは、2着を交代で使う方法もあります。
ダウンも、連日の着用を避けるよう、ユニクロの公式サイトの記事(2019年2月公開。宅配クリーニング会社のスタッフへの取材)で勧められています。着たあとは、陰干しで汗などの水分を飛ばしてから、クローゼットにしまいます。
ハンガーは、肩先に厚みのあるものを選ぶ
All Aboutの記事では、細い針金のハンガーは厳禁とされ、肩先に厚みのあるハンガー(理想は木製)が勧められています。型崩れを防ぎ、シルエットを保てるためです。
クローゼットは、詰め込みすぎないことも大切です。同じ記事では、「拳1つ分のすき間」が、コートの呼吸を助けると紹介されています。
コートのクリーニングは、いつ出す?
クリーニングに出す時期は、次の2つで考えます。
- 基本は、シーズン終わりに1回です。 All Aboutの記事は、溶剤が繊維の油分まで奪うことがあるため、1回で十分としています
- 汚れが付いたときは、早めに店へ相談します。 時間がたつほど汚れは染みついて落ちにくくなる、と全国クリーニング生活衛生同業組合連合会のガイド(2023年8月発行)は説明しています
食べこぼしや泥はねなら、シーズンの途中でも相談して構いません。同じガイドは、汚れの場所と原因を店に伝えることを、ポイントに挙げています。除菌・消臭スプレーは、ニオイ対策には効果的ですが、汚れは落ちないとも書かれています。

家で洗えるかどうかは、タグの洗濯表示で分かります。見方は「洗濯表示の読み方」で解説しています。
ダウンは自宅で洗える?洗い方の手順
洗えるダウンかは、洗濯表示で確かめる
花王の製品Q&Aでは、洗濯表示に、手洗いのマークか、洗濯機で「非常に弱い」洗いができるマーク(液温30℃または40℃)があれば、家庭で洗えるとされています。ファーつきで取り外せないものは、専門店に出します。
洗う時期は、シーズン終わりにしまう前と、汚れが付いたときが目安です。ユニクロの記事では、しまう前の「しまい洗い」は、クリーニングが勧められています。おしゃれ着用の中性洗剤は洗浄力が弱く、目に見えない汚れが残る可能性があるためです。
洗い方の7つの手順
花王の案内にある手順を、整理しました。
- 前処理: 襟や袖口の汚れは、水を少し含ませたスポンジに洗剤の原液をつけて、軽くたたくように落とします
- たたむ: ファスナーを閉じ、汚れた部分を外側にしてたたみます
- 洗う: 30℃以下の水に、おしゃれ着用の洗剤を溶かします。目安は、水4Lに洗剤10mlです(洗剤の表示の量に合わせます)。たたんだまま浸して、やさしく押し洗いします
- すすぐ: 洗濯機で30秒ほど脱水し、水をかえて2回すすぎます。最後に、洗濯機で軽く脱水します(1分以内)。撥水加工のものが多いので、脱水は短めにします
- 干す: 脱水後は放置せず、すぐに取り出して、厚みのあるハンガーで陰干しします
- 乾かす: 濡れている間は、羽毛を無理にほぐしません。羽根の軸が折れることがあるためです。ある程度乾いたら、手で軽くたたいて形を整え、2〜3日、室内で自然乾燥します
- 仕上げ: 完全に乾いたら、縦と横から軽くふりさばいて、空気を入れます

水温は、洗濯表示の液温の上限を超えないようにします。ユニクロの記事の手洗いは、40℃以下のぬるま湯です。
洗濯機で洗えますか?
花王の案内の洗い方は、桶や洗面ボウルでの押し洗いです。洗濯機は、脱水に使います。ロング丈のダウンは、洗濯槽を桶の代わりに使うと便利とされています。
薄手のウルトラライトダウンは、ユニクロの記事で、家庭用の洗濯機や脱水機の使用が厳禁とされています。脱水は、バスタオルで包んで水分を吸い取ります。
洗ったダウンがぺちゃんこになったときは
ぺちゃんこにしないポイントは、やさしく押し洗いをして、濡れている間は無理にほぐさず、完全に乾かしてから空気を入れることです(花王の案内の手順より)。
すでにぺちゃんこになったときは、中までしっかり乾いているかを確かめます。羽毛は乾きにくく、花王の案内では、2〜3日かけて乾かすとされています。冬は乾いたか分かりにくいので、ユニクロの記事では、ドライヤーで温めた手で生地を握ると、水分が残っているか分かると紹介されています。
乾いたら、縦と横から軽くふりさばいて、羽毛を均一にします。乾燥機が使える表示のダウンは、干して乾かしたあと、一番低い温度で5分ほど乾燥機にかけると、ふんわり仕上がるとユニクロの記事に書かれています。
写真の左は、ふくらみが足りず、しわが寄ったダウンです。右は、完全に乾かして、ふりさばいたあとの、ふんわりしたダウンです。

ダウンの日常の手入れ|汚れ、雨、飛び出した羽
ユニクロの記事で紹介されている、日常の手入れです。
- 食べこぼし: 食器用洗剤で落とします。漂白剤は使いません。カレーやワインなど色素が強い汚れは、クリーニングに出します
- 泥汚れ: 濡らすと繊維の奥に入るので、先に弱いドライヤーで乾かし、歯ブラシで落とします
- 部分洗いのあと: 洗った所だけが、乾くと目立つことがあります。落としたら、全体を洗います
- 雨に濡れたとき: タオルで雨粒を拭いて、陰干しで自然乾燥させます
- 羽が出たとき: 外から引き抜くと穴が広がります。内側からつまんで、引き戻します
- 除菌スプレー: かけすぎると、シミの原因になることがあります
コート・ダウンの保管|オフシーズンのしまい方
しまう前に、汚れを落として、ビニールカバーを外す
アイリスオーヤマの情報サイト(2023年12月公開)では、オフシーズンはカビやシミ、虫食いが起きても気づきにくいため、手入れを済ませてからしまうよう案内されています。
クリーニングから戻ったら、ビニールカバーは付けたまま保管しません。東京都消費生活総合センターの資料では、変色、変質、カビの発生、溶剤が残ることによる化学やけどの原因になることがあると説明されています。通気性のある不織布カバーに替えるのが、アイリスオーヤマの記事のおすすめです。

素材別に、ハンガーかたたむかを選ぶ
アイリスオーヤマの記事では、素材ごとの収納が、次のように紹介されています。
- ウール: ハンガー収納が基本です。たたむ場合は、肩や襟に折り目がつかないよう、タオルを挟みます
- ダウン: ハンガーでもたたんでも収納できます。ただ、肩のダウンが下に寄るおそれがあるため、どちらかといえば、たたむ収納が勧められています
- レザー: 肩幅に合うハンガーにかけ、ボタンとファスナーを閉じます。袖に丸めた新聞紙を入れると、形が保てます
ダウンの圧縮袋は便利ですが、袋によって表示が変わるため、使う前に製品の表示を確認するよう案内されています。

保管する場所
- 直射日光は色あせの原因になるので、クローゼットや押し入れに入れる
- クローゼットや押し入れは湿気がこもりやすいので、エアコンや乾燥剤で湿度を管理し、収納場所を定期的に掃除する
衣替えの全体の手順は、「秋冬の衣替え」にまとめています。
次に読む記事
- コート・ダウンの選び方は「冬のアウターの選び方」
- ぽっちゃり体型のコート・ダウンの選び方は「ぽっちゃりメンズのコート・ダウンの選び方」
- 着る時期の目安は「気温別の服装の目安」
- ニットの手入れは「ニットの洗い方(メンズ)」
- コーデの例は、NOT MODELで季節「冬」に絞ると探せます。アウターを使った着こなしを、参考にしてください









