ジャケットのボタンを留めると、お腹のあたりが引っ張られる。パンツに合わせて大きいサイズを選ぶと、今度は肩が余る。スーツは、ジャケットとパンツの両方に合わせる必要があるところが、選ぶときの難しさです。
ぽっちゃりメンズのスーツ選びは、身長とウエストで体型の記号を決め、ジャケットは肩とボタン、パンツはウエストと丈で確かめると、迷いにくくなります。この記事では、AOKIの公式案内をもとにした選び方と、当サイトのコーデ例の数え方を紹介します。サイズ表と確認ポイントは公式の案内をもとに、ぽっちゃり体型の選び方は、選ぶときの目安として紹介します。
先に、結論です。
- サイズは、身長とウエストから決めます。AOKIの体型表では、同じ身長でも、ウエストが大きくなる順に、A・AB・BB・Eと記号が変わります
- ジャケットは、肩で合わせます。ボタンを留めて、お腹のあたりが左右に引っ張られないかを確かめます
- パンツは、ベルトをした状態でのウエストの余裕を見ます。ウエストは、商品によっては±4cm程度のお直しができます
- ジャケットの前ボタンは、一番下を外します。座るときは、すべて外します
- 色は、ネイビーかチャコールを基本に、白いシャツで首元に明るさを足します
仕事で着る場合は、職場の服装の決まりが先です。
スーツのサイズは、何で決める?|身長とウエストの体型表
AOKIの公式通販の案内では、スーツ・フォーマル(礼服)・ジャケットは、「身長」と「ウエスト」から選ぶと説明されています。結婚式などで着る礼服も、同じ表で選びます。
体型表の見方は、次のとおりです。
- 横の並び:身長です。155cmから190cmまで、5cmごとに分かれています
- 縦の並び:体型の記号です。Y・A・AB・BB・E・Kの順で、同じ身長でのウエストの目安が、だんだん大きくなります
- 数字:服を着ていない状態の寸法(ヌード寸)の目安です
AOKIの例は、「身長172cm・ウエスト81cmなら、A6」です。同じ身長172cmでも、ウエストが違うと、記号が変わります。AOKIの表の「身長170〜175cm」の列を読み取ると、次のとおりです。
- A6:ウエスト79〜85cm
- AB6:ウエスト85〜91cm
- BB6:ウエスト93〜99cm
- E6:ウエスト99〜105cm
記号の後ろの数字は、身長の区分です(172cmなら6)。ウエストが記号と記号の間に入るときは、店で採寸してもらうと決めやすくなります。
同じ記号でも、商品によって実際の寸法は変わります。AOKIの案内では、商品ページの「サイズスペック」(仕上がり寸法)を、手持ちの服と比べて確認するよう書かれています。
記号が変わると、何が変わるのでしょうか。AOKIは、Y5とA5の違いを、「着丈と袖丈は基本的に同じ。ジャケットの肩幅や胴囲、パンツのウエストなどは、A5のほうが大きい」と説明しています(同じブランドの場合)。同じ身長なら、記号を変えても丈は同じで、胴まわりが変わる、ということです。迷うときは、隣の記号も着て比べます。
ジャケットは、何を見て選ぶ?|肩・胸まわり・袖丈・着丈
AOKIの「ジャストサイズなスーツの選び方」には、7つのフィッティングポイントが載っています。ジャケットに関わるのは、次の4つです。

1. 肩|ジャケットの肩をつまんで、1cm程度
- ジャケットの肩山(肩の一番高い所)と、自分の肩のトップの位置が、ちょうど合っているかを見ます
- 肩をつまんで、1cm程度の余裕があるのが適正です。それ以上つまめると大きく、肩が落ちて、だらしない印象になります。つまめないと、小さく、動きにくくなります
お腹に合わせて大きいサイズにすると、肩が余ることがあります。肩が合うかを、先に確かめます(「男性服のサイズ感の見方」の肩の見方も参考にしてください)。
写真の左は、ひとまわり大きいジャケットで、肩から袖にかけて生地が余っています。右は、肩に合ったジャケットです。

2. 胸まわり|ボタンを留めて、シワが出ない
- 前のボタンを留めて、シワが出ないのが適正です。大きいと、前身ごろが必要以上に重なります。小さいと、ボタンを留めたときに、左右に引っ張られます
- ぽっちゃり体型の方は、胸の高さだけでなく、お腹の高さでも見ます。ボタンのまわりに、横向きのシワが出ていないかを確かめます
写真の左は、小さめのジャケットです。ボタンのまわりが引っ張られて、お腹のあたりに横向きのシワが出ています。右は、体に合ったジャケットで、シワがありません。

3. 袖丈|シャツが1〜1.5cm出る
- スーツの袖から、ワイシャツが1〜1.5cm出る程度が適正です
- 袖が大きいと、シャツが見えなくなり、スーツに着られている印象になります
4. 着丈|ヒップがちょうど隠れる
- ヒップがちょうど隠れる長さが、基本の着丈です
- すっぽり隠れるほど長いと、野暮ったい印象に。ヒップより上に裾がくる短さだと、ジャケットとパンツのバランスが悪くなります
ジャケットのシルエットは、AOKIでは「スリム」(着丈が短めの細身)と「ベーシック」(適度なゆとりがある標準的な形)に分けて案内されています。ぽっちゃり体型の方は、まずベーシックから試すと、ボタンを留めたときの余裕を確かめやすくなります。
パンツは、何を見て選ぶ?|ウエスト・ヒップ・丈とお直し
5. ウエスト|ベルトをして、手のひらがひとつ入る
- ベルトを着けてウエストの位置を決め、パンツと体の間に、手のひらがひとつ入る余裕があるのがベストと案内されています
- 大きいと、ベルトを締めたときにシワが寄ります。小さいと、両サイドのポケットが開いてしまいます
- 座って苦しくないかも、試着で確かめます(座り方の見方は「ぽっちゃりメンズのパンツ選び」にあります)
パンツのウエストは、±4cm程度のお直しができると案内されています。ただし、商品によっては、お直しできないものもあります。
6. ヒップ|かがんで、太ももに余裕がある
- ヒップまわりの生地に、張りやもたつきがないのが適正です
- かがんだときに、太ももに適度な余裕があるかを見ます。小さいと、生地が体に張りついて、かがみにくくなります
7. パンツ丈|前の裾が「く」の字になる、ハーフクッション
- ベルトを着けてウエストの位置を決めてから、丈を合わせます
- 前の裾が「く」の字を描いて、少しくぼみができる長さ(ハーフクッション)が標準です。好みで、約1.5cm短く、または長く調整します
- 長すぎると、裾がくしゃくしゃに。短すぎると、靴下が見えます
写真の左は、裾が長すぎて、靴の上にたまっています。中央は、裾が靴の甲に軽く触れる長さです。右は、短くて、靴下が見えています。

パンツの形は、AOKIでは「ノータック」(シャープな形)、「ワンタック」(標準的な形で、腰まわりとヒップにややゆとりがある)、「ツータック」(腰まわりとヒップにゆとりがある)に分けて案内されています。座ったときにお腹が苦しいときは、ワンタックから試すと選びやすくなります。
ボタンは、どう留める?|立つときと、座るとき
AOKIのコラム(2024年)では、ジャケットのボタンの留め方を、次のように案内しています。
- 2つボタン・3つボタン:一番下は留めません(アンボタンマナー)
- 段返り3つボタン:真ん中だけ留めます
- 座るとき:すべて外すのが一般的です。留めたままだと、生地が引っ張られて形が崩れたり、締めつけで苦しくなったりします
ただし、取引先との会議など大切な場面では、気になるなら、座ったままボタンを留めていても問題ないとされています。お腹まわりが苦しいと感じるときも、基本は同じです。一番下を留めると、スーツの形が崩れて、余分なシワも出ます。
写真は、座るときに、ジャケットの前を開けた姿です。

当サイトのコーデで見ると|ジャケットは「前を開けて、ヒップのあたりの丈」
当サイトに掲載している、ぽっちゃり体型のコーデ62件(2026年10月26日時点)を数えました。スーツの上着に近い、襟付きのウール、ツイード、リネンなどのジャケットを着ているコーデは、12件です。ダウン、デニム、ワーク、シャツジャケット、カーディガン、短丈の羽織り、ファスナーで留めるものは、数えていません。
- 前の開け閉め:10件が、前を開けて着ています。残り2件は、前の留め方を書いていません
- 丈:10件が、ヒップを基準に書いています。「ヒップの上のあたり」から「ヒップが隠れる」までです。AOKIの「ヒップがちょうど隠れる」に近い丈です
- 肩:11件が、肩を合わせると書いています
- パンツ:9件がストレート、1件がテーパードです。8件は、タックが入っています
- 場面:休日・街歩きが10件、仕事・街歩きが1件、食事が1件です
これは、一般の統計ではなく、当サイトの掲載例の数え方です。スーツとして仕事で着る例は少なく、上下が同じ素材や近い色のコーデは3件でした。スーツそのものの参考というより、「ジャケットを、どんな丈・肩・パンツで着るか」の参考として見てください。
「ぽっちゃりメンズのコーデ例50件」は、公開時点の50件の集計です。
色は、どう選ぶ?|ネイビーかチャコールに、白いシャツ
色の考え方は、「着痩せする色(メンズ)」と同じです。全身は、白やグレーも含めて3色以内にします。暗めのネイビーかチャコールをメインにして、白いシャツで首元に明るさを1か所足します。靴は、服の3色のどれかに近い色にします。
ネイビー ネイビーのスーツ(ジャケットとパンツ)+白いシャツ+茶色の革靴 色:ネイビー・白・茶色
チャコール チャコールグレーのスーツ(ジャケットとパンツ)+白いシャツ+黒の革靴 色:チャコール・白・黒
一番上の写真の左が、ネイビーの例です。右が、チャコールグレーの例です。
シャツの選び方は「ぽっちゃりメンズのシャツ選び」、40代・50代の服選びの考え方は「40代・50代メンズのファッション」で解説しています。
買うときに起きがちなこと|試着で確かめること
スーツ選びでは、買ったあとに気づく失敗が起きがちです。体験談ではなく、起きがちなことと、試着での確かめ方をまとめました。
- ボタンを留めると、胸やお腹が引っ張られる。 立っているときは平気でも、座ると苦しくなることがあります。立ったときは、一番下以外を留めて、横向きのシワがないかを見ます。座ったときは、ボタンを外して、パンツのウエストが苦しくないかを見ます
- 肩が余る、または窮屈。 袖やウエストは直せても、肩は直しにくいものです。肩を最優先にして選び、袖丈やパンツのウエストは、お直しで調整できるかを店に聞きます
- 腕を前に出すと、背中や脇がつっぱる。 試着で腕を動かさず、買ってから気づくことがあります。腕を前に出す、上げる、で確かめます
- 上着は合うのに、パンツのウエストや太ももが合わない。 上下で別のサイズを組み合わせられるかは、店によります。買う前に、聞いてみます
- 丈を、普段と違う靴で決めてしまう。 普段合わせる靴とベルトを着けて、パンツ丈を合わせます
- 袖が長くて、シャツが見えない。反対に、直しすぎて、シャツが出すぎる。 シャツが1〜1.5cm出る程度を目安に、お直しの長さを決めます
- 店ではよく見えたのに、手持ちのシャツや靴と合わせると、しっくりこない。 試着に、合わせたいシャツと靴を持っていきます。鏡で、正面・横・後ろから見ます
店では、使う場面(毎日の仕事、式典、座っている時間が長い、など)を先に伝えると、相談しやすくなります。お直しは、料金・仕上がりまでの日数・どこまで直せるかを、買う前に確認します。
長く着るなら|今の体型より、少しゆとりを持たせる(私の体験と見解)
私も、30代になってから、お腹まわりが大きくなりました。
国の調査でも、男性で肥満(BMI25以上)の人の割合は、年代が上がるにつれて増えています。厚生労働省の令和5年(2023年)の調査では、20歳代が23.2%、30歳代が30.2%、40歳代が34.3%でした。お腹まわりの大きさそのものではなく、体重と身長から出す指標(BMI)の数字です。
私は、次のように考えています。
- 男性は、30代ごろから、特にお腹まわりが大きくなりやすい
- 筋トレやジムに通う人は、胸や肩まわりが大きくなりやすい
- だから、スーツは、今の体型にぴったり合わせず、少しゆとりを持たせて選ぶと、長く使える
ゆとりの持たせ方の目安です。
- ウエスト:パンツのウエストは、商品によっては±4cm程度のお直しができます(AOKIの案内)。今より少し余裕のあるサイズなら、体型が変わったときも、お直しで合わせられるかもしれません
- 胸まわり:ボタンを留めて、シワが出ない範囲で、少し余裕のあるものを選びます
- 肩:肩は直しにくいので、ゆとりを持たせすぎません。つまんで1cm程度の余裕の範囲にします。大きすぎると、肩が落ちて、だらしない印象になります(AOKIの案内)。筋トレをしている人は、腕を前に出したときに、肩や背中が突っ張らないかを確かめます
次に読む記事
- サイズ全体の見方:「男性服のサイズ感の見方」
- パンツ:「ぽっちゃりメンズのパンツ選び」
- シャツ:「ぽっちゃりメンズのシャツ選び」
- 色の合わせ方:「着痩せする色(メンズ)」
- 冬の通勤服:「冬のオフィスカジュアル(メンズ)」
- 忘年会など、スーツで出る会:「忘年会の服装(メンズ)」






