「冬は、着込むほど大きく見える」「ダウンを着ると、膨らんで見えそうで不安」。太っている・ぽっちゃり体型の男性にとって、冬は、服選びでいちばん迷いやすい季節です。
この記事では、「痩せて見える」を、うわさや気分ではなく、見え方を調べた実験から整理します。そのうえで、当サイトの冬コーデ19件を寒さの目安ごとに見て、選び方に落とし込みます。
ここで紹介する実験は、写真や絵、Tシャツやワンピースなどで調べたもので、冬のコートやダウンを直接比べたものではありません。分かることと、言えないことを分けて書きます。
先に、結論です。
- 暗い色の服は、体を少し細く見せます。 ただし差は小さく、明るい背景では差がはっきりしなかった実験もあります
- 服は、きつすぎても、ゆるすぎても、大きく見えます。 ある実験では、ゆとりが少しあるくらいが、いちばん小さく見えました
- 縞(しま)で細く見せようとするのは、おすすめしません。 縞の効果は、実験の結論が分かれています
- 冬は、寒さの目安に合わせて、コートかダウンかを決めます。 必要以上に厚い服を選ばないと、着ぶくれしにくくなります
痩せて見える服は、実験で何が分かっている?
「痩せて見える服」を調べた実験は、いくつかあります。ここでは、服選びに関わる3つを紹介します。
1. 暗い色の服は、少し細く見える
- 2020年の実験では、インターネット上の約1,000枚の人の写真を見てもらい、体重を推測してもらいました。暗い服の人は、体重が少し軽く推測されました
- 2021年の実験では、女性モデル1人の写真で、暗い色のワンピースが、明るい色より細く見えました。背景が暗いほど、その効果は大きくなり、明るい背景では、はっきりした差になりませんでした
どちらも、差は「少し」です。暗い色は、見え方を整える工夫の1つと考えます。色の決め方は、「着痩せする色(メンズ)」にまとめています。
2. 服は、きつすぎてもゆるすぎても大きく見える
2006年の実験では、体格の違う男性が、白いTシャツを5つのサイズで着て、見た人が体の大きさを評価しました。BMIが28を超える男性は、きつすぎても、ゆるすぎても、大きく見えました。いちばん小さく見えたのは、胸まわりのゆとりが2〜3cmのときでした。
- 体を隠そうとして、大きすぎる服を選ぶと、見え方の面でも、有利とは限りません
- きつすぎる服も、同じように大きく見えました
- 2〜3cmは、Tシャツでの結果です。コートやニットの数字としては使えません
写真は、同じ男性が、同じ濃紺のコートの3つのサイズを着た例です。左はきつめ、中はちょうどよい、右はゆるめです。

冬は、中に着る服で、必要なゆとりが変わります。数字で決めず、中に着る服をすべて着て、試着します。肩の合わせ方と身幅の確認は、「冬のアウターの選び方」で解説しています。
3. 縞は、細く見せる決め手にならない
「横縞は太って見える」「縦縞は細く見える」と言われますが、実験の結論は分かれています。
- 2011年の実験では、横縞のほうが、縦縞より細く見えました。「横縞は太って見える」という説を支持する結果は、出ませんでした
- 2013年の日本の研究(京都大学)では、横縞が細く見せる効果は、細い体の図で強く、太った体の図では弱く、逆になる可能性もありました。人による差も大きいという報告です
- 2020年の実験では、横縞は、無地の明るい服と比べて、差が見られませんでした
写真の左は、無地のネイビーのニット、右は、ネイビーとライトグレーの横縞のニットです。同じ男性で、パンツと靴も同じです。

冬のニットやコートの縞は、好みで選んで構いません。縞に、細く見せる役目を期待しすぎないほうが、安全です。
実験から言えることは、どこまで?
ここまでの実験は、女性の絵や写真、Tシャツやワンピース、少人数のものが多く、冬のコートやダウンを比べたものではありません。「この服を着れば、必ず細く見える」という意味ではなく、選ぶときの手がかりとして使います。
寒い日は、厚い服を足すより、素材で暖かさを足す
環境省のウォームビズのページでは、寒いからといって、ただ上に羽織るだけでは、着ぶくれしてしまうこともあると説明されています。対策として、機能性素材のセーターやジャケットを選ぶ方法が挙げられています。
厚い服を1枚足す前に、薄くて暖かい素材に替えられないかを考えます。重ね方は、「ぽっちゃりメンズの冬コーデ」で解説しています。
冬服に当てはめる|寒さの目安ごとに、冬コーデ19件を見る
当サイトには、体型が「ぽっちゃり」か「大きめ体型」で、季節が「冬」のコーデが19件あります(ぽっちゃり11件、大きめ体型8件)。服装指数(日本気象協会の服装指数と同じ数字の、NOT MODELの目安)で分けると、次のとおりです。
- 指数30「コートが欲しい寒さ」(11件):ウールのコート10件、中綿入りのカバーオール1件
- 指数20「厚手の防寒着が欲しい寒さ」(7件):ダウン5件、中綿入りのパーカ1件、黒のキルティングのロングコート1件
- 指数40「上着にニットを合わせたい肌寒さ」(1件):ジャケット1件
これは、当サイトのコーデを数えた結果で、一般の統計ではありません。服装指数も、寒さの感じ方に個人差があるため、あくまで目安です。見方は、「気温別の服装の目安」にあります。
指数30の例は、ウールのコートが中心
11件のうち、ウールのコートが10件でした。厚手のダウンを選ばなくても、コートで足りる寒さの日があります。
- アウターの色は、ネイビー・チャコールグレー・ブラウン・藍色などの濃い色が10件です(残る1件は、オリーブグリーンの中綿入りカバーオール)
- 11件のうち10件で、首元に、白・生成り・ライトグレーなどの明るい色が見えます(シャツの襟、白いインナー、明るい色のニットやスウェットなど)
- コートの前を開けて着る例が、5件あります
濃い色のコートの内側に、明るい色を少し見せる形が、ほとんどの例で使われています。冬の白と生成りの使い分けは、「冬の白コーデ(メンズ)」で紹介しています。
指数20の例は、ダウンが中心
寒さが厳しい日は、厚手の防寒着を使う例が、7件ありました。
- ダウン5件のうち3件は、縫い目や光沢が目立ちにくい作りです(シームレス2件、マットなナイロン1件)
- アウターの色は、7件のうち5件が、黒・ネイビー・チャコールグレーの濃い色です
- 前を開けて着る例が、4件あります
ダウンの選び方は、「冬のアウターの素材(メンズ)」で解説しています。
コートの前を開けて、縦の流れを作る着方は、当サイトで勧めている着こなしです。縞の実験とは別の話で、この着方で細く見えることが、実験で確かめられたわけではありません。
買う前に、試着で確かめる3つ
- 中に着る服を、すべて着て試着します。 厚手のニットを着た状態で、きつすぎず、ぶかぶかにもならないかを確認します
- 前を開けた姿と、閉じた姿の両方を、鏡で見ます。 腕を前に出して、肩と背中が突っ張らないかも確認します
- 首元に、明るい色を少し見せます。 シャツの襟や、薄手のマフラーを、試着のときに合わせてみます
写真の左は、コートの前を開けた姿です。右は、同じコートの前を閉じた姿です。

私の体験|冬服の買い物で、うまくいかなかったこと
冬の服選びで、私が実際に経験したことです。
- 体形が変わって、立った時にはちょうどよかった服が、小さくなりました
- 試着室では、照明のおかげでよく見えたのに、家に帰ったら、サイズが思っていたのと違いました
- タートルネックを買ったら、生地がしっかりしたものではなく、すぐによれよれになりました
- 冒険して白いコートを買いましたが、着る場面が少なく、出番がないままです
光だけを変えた例です。左は、試着室のような明るい照明、右は、家の窓ぎわの自然光です。同じ男性、同じコートです。

1つ目は、上で紹介した、きつすぎる服が大きく見えた実験と重なります。体形が変わったときは、持っている服のゆとりも、確認し直すと安心です。
ニットの首元や編み目の考え方は、「ぽっちゃりメンズのニット選び」で解説しています。2つ目と4つ目のようなことは、買う前に、返品や交換の条件と、その服を着る場面を、確かめておくと安心です。
次に読む記事
- 冬の重ね着の組み立て方は「ぽっちゃりメンズの冬コーデ」
- 色の決め方は「着痩せする色(メンズ)」
- 大きめ体型の冬は「大きいサイズ メンズの冬服」
- コーデの例は、NOT MODELで体型「ぽっちゃり」「大きめ体型」、季節「冬」に絞ると探せます
参考資料
- Perception誌「Helmholtz Versus Haute Couture: How Horizontal Stripes and Dark Clothes Make You Look Thinner」
- arXiv「Darks and Stripes: Effects of Clothing on Weight Perception」
- 香港理工大学 PolyU Scholars Hub「Perceived body size affected by garment and Body Mass Index」
- i-Perception誌「Applying the Helmholtz illusion to fashion: horizontal stripes won't make you look fatter」
- 京都大学学術情報リポジトリ「Helmholtz illusion makes you look fit only when you are already fit, but not for everyone」
- 環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」
- 日本気象協会 tenki.jp「服装指数」







